体験レポート

富山市・南砺市をめぐる

南砺・八尾で感じた、歴史ある街並みと暮らすワーケーション

北陸新幹線の敦賀延伸からもうすぐ2年。関西からはぐっと近くなり、最近は関西地域でのプロモーションも活発な富山県。
今回、南砺市と富山市八尾を訪れ、ワーケーション滞在を体験してきました。日本ワーケーション協会の代表理事として各地を訪れてきた私が、南砺と八尾で感じた独特の魅力をお伝えします。

今回のアクセスは北陸新幹線の新高岡駅を利用。京都からはなんと2時間を切って到着することができるようになり、近さを改めて感じます。

 

新しい文化交流の拠点「métisse(メティス)」での滞在

南砺市福野に2024年4月にオープンした「métisse(メティス)」。宿泊、カフェ、コワーキングスペース、イベントスペースを備えた複合文化施設です。

 


「まじわる、ふくらむ。」をコンセプトに、世界と地域の交流拠点として生まれたこの場所は、まさにワーケーションに必要な「あればいいな」が全部揃っている施設でした。

福野駅から徒歩8分という好立地。2階のコワーキングスペースは、大きな窓から明るい光が差し込み、集中して仕事をするのに最適な環境でした。

滞在施設も併設されており、そのまま仕事をしながら泊まれるという、機能性は抜群の施設でした。

施設内の階段には、影絵師・川村亘平斎さんによる壁画作品「祭囃子に誘われて」が描かれています。南砺の文化や民話をモチーフにしたカラフルな切り絵が、この土地の物語を静かに語りかけてくれます。

 

職人の町・井波で出会った静かな時間

南砺市の井波地区は、木彫りの町として知られています。瑞泉寺の参道には彫刻工房が軒を連ね、木を削る音が心地よく響いています。

昼食に訪れたのは地元で有名なお蕎麦屋さん。

職人の手で丁寧に打たれた蕎麦は、シンプルながら深い味わい。こういった何気ない食事の時間が、地域での滞在を特別なものにしてくれます。

井波では、「haiz coffee roastery」にも立ち寄りました。空き家をリノベーションした吹き抜けの空間で、外の空気を感じながらゆっくりとコーヒーを味わう。

Uターンした店主さんが丁寧に淹れるスペシャルティコーヒーは、この町の新しい息吹を感じさせてくれました。帰りには豆を購入し、滞在中の朝のコーヒータイムに使わせていただきました。

歴史的な街並みを歩くのが好きな私は、井波の街並みを歩きながら流れる時間がとても良いリフレッシュになりました。

 

福野で味わう、地元の夜

夜は福野の居酒屋へ。地元の方々で賑わう店内で、富山の旬の食材を使った料理を堪能しました。

ワーケーションの魅力は、こうした地元の人たちが通う場所で、日常の一部を共有できることにあります。観光地のレストランではなく、地域に根ざした店での食事は、その土地の暮らしを肌で感じることができる貴重な体験です。

 

どこか懐かしい、八尾の街並み

métisseでの滞在の後に訪れたのが、富山市の越中八尾。「おわら風の盆」で知られる歴史の町です。

石畳の道に沿って、江戸時代から続く町家が立ち並ぶ風景。歩いていると、不思議な感覚に包まれました。初めて訪れる場所なのに、どこか「帰ってきた」ような懐かしさ。

それは、飛騨高山を思わせる佇まいでした。かつて北陸と飛騨が深く結びついていた歴史的な繋がりが、今も街並みに残っているからかもしれません。飛騨地方に近い地理的な位置関係も、この空気感を生み出しているのでしょう。

「越中八尾ベースOYATSU」に併設されているカフェで、コーヒーをいただきました。スペシャルティコーヒーの豊かな香りが、歴史ある蔵の空間によく似合います。

古くに建てられた土蔵を活かしたこの施設は、宿泊はもちろん、ワーケーションの会議やレンタルスペースとしても使える、まさに地域と旅人の交流地点です。

越中八尾ではJR高山線も通っているため、富山市と岐阜県の飛騨高山などとの交通の交点でもあります。周遊しながら訪れることができるのも1つのポイントです。

私自身はこのまま、特急ひだに乗って、飛騨高山へ抜けて行きました。外国人観光客で溢れていました。

 

関西から見た、富山ワーケーションの魅力

以前、「めぐるとやま」に関西からの視点で富山のワーケーションについて寄稿しましたが、改めて実感したのは「心地よい距離感」です。

 

 

観光地としての賑わいではなく、日常が息づく街で、暮らすように滞在する。métisseのような新しい施設と、八尾や井波のような歴史ある街並みが共存し、それぞれの良さを楽しめる。

立山連峰を眺めながら仕事をして、終われば地元の食材を使った料理が待っている。そんなウェルビーイングな時間が、富山では自然と流れていきます。

 

歴史ある街で感じた、これからの働き方

八尾や井波を歩きながら考えたのは、「場所の持つ力」についてでした。歴史が積み重なった街には、独特の時間の流れがあります。その中で仕事をすることで、日常とは違う視点が生まれます。

南砺市は「世界と地域の交差点」として、métisseのような新しい文化交流の拠点を生み出しています。一方で、井波の職人文化や八尾のおわら風の盆といった伝統も大切に守られています。

この「新しさ」と「歴史」が自然に共存している空気感が、富山のワーケーションを特別なものにしているのだと感じました。私自身は特にこうした歴史文化がすごく好きで、また1つ新しい街を知りながら、自分の日常の仕事を進められた、そんなイメージです。

ワーケーションは単なる場所の移動ではなく、自分自身を見つめ直す機会。そして、新しい価値観や人との出会いを通じて、日常に戻ったときの視点を変えてくれる体験なのだと、改めて実感した滞在でした。

 

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