体験レポート

写真家・エッセイスト 古性のちさんとのコラボ企画

富山・高岡氷見で親子ワーケーション。初めての小さな旅レポート

「子どもといっしょに、テレワークやワーケーションってできるのかな?」

そう思っている方も多いかもしれません。 でも実際、親子や家族でワーケーションをする人、「やってみたい」と考える人は年々増えています。 富山県へワーケーションに訪れる人も増えていて、特に夏休みシーズンには、助成制度を利用して親子や家族で滞在する方も実際にいらっしゃいます。

子どもを育てる世代は、仕事と子育てに追われる日々の中で、「これからどんな暮らしをしていきたいだろう」と自分のライフスタイルを考えることも多いと思います。 子育てをしながらも自分らしく、幸せに生きていくために。 子どもと一緒に「小さな旅」をするという選択肢があってもいいのではないでしょうか。

無理をせず、いつもの暮らしから少し先まで足を伸ばしてみる。 少し先の場所へ旅をして、新しいつながりや発見に出会う。 そこには、自分らしく暮らしていくためのヒントが隠れているかもしれません。 そしてまた明日から、頑張れる。

旅先で出会う人々との何気ない会話が、心の癒しになることもあります。 「ひとりじゃない」と気づくきっかけになるかもしれません。 子どもだけでなく、親にも優しい施設があれば、可能性はもっと広がります。

まずは身近な地域へ、小さな旅をはじめてみませんか。

 

金沢から20分。古性のちさん親子と体験する初めての富山

今回、この「小さな旅」を一緒に体験したのは、写真家・エッセイストの古性のちさんです。

古性 のち:1989年横浜生まれ。写真家・エッセイスト・コラムニストとして活動し、BRIGHTLOGG,INC取締役を務める。現在は石川県金沢市で0歳の娘を育てながら、写真やエッセイを通じて日常の中にある美しい瞬間を切り取る活動を続けている。著書『雨夜の星をさがして』(2022年・玄光社)、『明日、もっと自分を好きになる』(2024年・KADOKAWA)。SNSでは暮らしを丁寧に綴った写真や言葉が多くの人の心に響き、総フォロワー数は約20万人。

古性のちさん(以下、のちさん)は現在、石川県金沢市で0歳の娘さんを育てながら、写真やエッセイを通じて、日常の中にある美しい瞬間を切り取る活動をしています。 著書に『雨夜の星をさがして』(玄光社)、『明日、もっと自分を好きになる』(KADOKAWA)があり、SNSでは暮らしを丁寧に綴った写真や言葉が多くの人の心に響いています。
のちさんにとって、富山は今回が初めて。 0歳の娘さんと一緒に、初めての富山ワーケーションを体験していただきました。


今回訪れたのは、富山県西部の高岡・氷見エリア。

金沢から高岡まで、新幹線でわずか20分。 車でも高速を使えば1時間弱という距離です。 「少し先まで、ちょっと足を伸ばしてみる」 そんな小さな旅に、ちょうどいい距離感でした。

このエリアには、子どもと同じ空間で仕事ができるコワーキング施設、富山湾を眺めながらゆっくり過ごせる親子に優しいカフェ、未就学児から小学生まで楽しめる遊具が揃った植物園があります。 それぞれの施設が無理なく巡れる距離にあり、親子でのワーケーションを自然に後押ししてくれる環境です。

新高岡駅から始まる、高岡・氷見をめぐる1日のルート。 のちさんが撮影した写真と共に、その様子をレポートします。

 

ippo:子どもと一緒に働ける場所

午前9時半、新高岡駅からスタートして最初に訪れたのは、「コドモとオヤのコミュニティ広場 ippo」です。

扉を開けると、木の温もりと柔らかな自然光に包まれた空間が広がります。 広々としたフロアには、コワーキングスペースと子どもの遊び場が自然に共存していました。大きな本棚、ゆったりとしたソファ、そして子どもたちが遊べる木製の遊具。ここは富山で唯一、子どもと同じ空間で仕事ができるコワーキング施設です。


私とのちさんは、娘さんが遊具で遊ぶ様子を見守りながら、デスクでPCを開きます。ここでは子どもが遊ぶ姿を視界に入れながら、自然に仕事に集中できます。

お家にいるかのような安心感がありながら、でも自宅よりも居心地よく仕事ができる、捗る場所。「仕事」と「育児」を分けなくてもいい空間で、実際に体験してみると、その価値の大きさに気づかされます。


ippoのコンセプトには、こんな言葉があります。 「ippoはコドモとオトナたちが『やってみたい』と思い描く夢の最初の一歩を応援する場所。たくさんの夢を叶えたいと一歩踏み出した人たちとその夢を応援したいと思う人が出会い、集う場所でもあります。 誰かの夢に関わることで自分自身の夢と向き合い、オトナからコドモへ夢を持つ素晴らしさを伝えていきたい」

ippoは、ママ会やランチ・カフェタイムの日常使いから、サークル、イベント、教室などまで幅広く利用できるコミュニティ施設です。 メインフロアは入場料制で気軽に利用でき、会場や場所を探している方に向けてスペース貸しも実施しています。

施設設備の充実度も高く、コワーキングとしても優秀。 それでいて親子コミュニティとして支持されていることも大きな特徴です。 快適なコワーキングとして利用する人、 親子コミュニティの拠点として利用する人、 親子ワーケーションで利用する人。 多目的に支持されているからこそ、様々な人との出会いも生まれます。

同じ子育てをする人同士のコミュニケーションがとれる場所でもあり、 初めての親子ワーケーションにぴったりの場所だと感じました。


約1時間の滞在の中で、私とのちさんは娘さんの様子を見守りながら、 落ち着いて仕事の時間を過ごすことができました。 「子連れでも働ける」という環境が、当たり前に用意されている。 それが、親子ワーケーションの第一歩になるのだと感じます。

 

MARUCAFE&SEA:海を眺めながらのランチタイム

11時過ぎ、高岡市の海沿いにあるMARUCAFE&SEAへ向かいました。 スーパー銭湯「越乃庭」の1階にあるこのカフェは、 明るい色調の木と白を基調としたお洒落でリラックスした空間です。

大きく開いた窓からは、青い海と空が広がります。 この日はあいにく立山連峰はあまり見えませんでしたが、 富山湾の景色は最高で、まるでリゾートに来たかのような雰囲気です。


店内には、テーブル席やカウンター、テラス席のほかに、 「ブランコ席」や「ベッド席」といった個性的な席があります。 今回、私たちが案内されたのは「ベッド席」。 小さなお子さんと一緒に過ごすなら、この席がおすすめです。


ふかふかのベッドの上で、娘さんはリラックスした様子。 赤ちゃんと一緒に安心して過ごせるカフェは、なかなかありません。 ベッド席なら、子どもがぐずったり眠くなったりしても、 慌てることなくゆっくり過ごすことができます。 人気の席なので、予約がおすすめです。


テラスからの眺めも唯一無二。富山湾と立山連峰、 そして目の前には電車が通るので、電車好きの子どもには とっても嬉しいポイントですね。


メニューは、ドリアやパスタ、パンケーキにデザートまで様々。 今回はドリアとパスタのランチに、フロートをセット。 たっぷりのソフトクリームがのった大きなフロートには、 思わず笑顔がこぼれました。海を眺めながらの食事は、 いつもより特別な時間に感じられます。


スタッフの方にお願いすると、おむつ替え用の台を トイレに設置してくれました。急なおむつ替えのときも安心です。 こうした細やかな配慮が、子連れでの外食を 心地よいものにしてくれます。


テレワークやワーケーション中の気分転換は、すごく大事です。 それは子どもが一緒だとなおのこと。 毎日一緒の時間が多いからこそ、お互いにご機嫌でいるための 楽しみは必要です。

みんなが笑顔でいるために、ランチの時間も気持ちよく過ごしたい。 MARUCAFE&SEAは、そんな願いを叶えてくれる場所でした。

 

氷見市海浜植物園:午後は自然の中でリフレッシュ

ランチを終えて、午後1時過ぎに向かったのは氷見市海浜植物園です。


氷見市海浜植物園は、1996年に「富山県植物公園構想」に基づき設立され、 日本各地の海浜植物を中心に植栽展示する植物園として20年以上親しまれてきました。 2020年にリニューアルを経て、植物園としての資産をベースに、 子どもも大人も一緒に遊べる・学べる・憩える空間へと生まれ変わっています。


施設に足を踏み入れると、その開放感に驚かされます。 大屋根を設置した「遊べる展示庭園」や、遊具や研修室を備えた屋内空間は、 とても清潔で、室内なのにまるで外にいるかのような気持ちよさがあります。


富山県氷見市は、海と山の幸に富み、富山湾越しに立山連峰を望める 豊かな自然環境に恵まれていますが、真夏の猛暑や梅雨時の長い雨、 冬に降り積もる雪などは屋外での活動が制限されがちです。 氷見市海浜植物園では、晴れの日も、雨の日も、雪の日も、 天候を気にせず利用することができます。

施設内には、メインホールのほかにも、小さな子どもが安心して遊べる「小さな木育のへや」、木の電車や木馬など大きな遊具がある展示ホール、授乳室と隣接しているキッズルーム・ラウンジがあります。

大きな温室にはボルダリングやネット遊具があり、小学生の子どもたちが 室内で思い切り体を動かすことができます。 芝生広場にはふわふわドームやターザンロープなど、1日遊んでも足りないほど充実しています。

思い切り遊ぶために、まずはおむつ替え。 施設には授乳室やおむつを替えるスペースなどが充実していて安心です。

準備が整ったら、メインホールへ。 すでに遊んでいた親子の方に挨拶をして、ご一緒させていただきました。 初めての木のボールプール。娘さんは手で握ってみたり、並べてみたり、興味津々の様子です。

子どもたちが仲良く遊んでいる姿を見ながら、お話をして過ごしていくうちに、自然とよい空気感が生まれていきました。 最後はみんなで仲良く過ごすことができ、こうした偶然の出会いが旅先での温かい思い出になっていきます。


次は温室の方へお散歩です。

キッズルーム・ラウンジにも小さな子どもが安心して遊べる工夫がされていて、とても過ごしやすい空間でした。

リカレント研修室に入ると、何組かの親子が椅子に座って休憩したり、思い思いの時間を過ごしています。 イベントや研修がない場合は開放されているようです。 赤ちゃんが休憩している間、少し作業を進めます。子どもと一緒のワーケーションでは、こうした隙間時間を活用することがポイントです。


たくさん遊んでお昼寝の時間になったので、 植物園から歩いてすぐのところにある海沿いを散歩しました。 気持ちいい海風を感じながら景色を眺める時間も、ワーケーションの楽しみのひとつ。


ひとつひとつの時間を丁寧に感じながら、ゆっくりと過ごす。 忙しく過ぎていく日常から少し離れて、今この時間を丁寧に大切に過ごすことができる。それが、小さな旅の贅沢なのかもしれません。

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回のテーマは「初めての親子ワーケーション」。 初めてのワーケーションにぴったりな、富山県高岡市・氷見市の 親子で一緒に過ごしながらワーケーションをすることができる施設をご紹介しました。


訪れたのは、子どもと同じ空間で仕事ができる「ippo」、 富山湾を眺めながらゆっくり過ごせる「MARUCAFE&SEA」、 そして天候を気にせず親子で楽しめる「氷見市海浜植物園」の3つ。 それぞれの施設が、親子に優しい工夫と配慮にあふれていました。


子どもと一緒におでかけをするだけでも大変なのに、仕事をするなんて… と思うかもしれません。 そんなときこそ、ちょっとそこまで、隣町まで、少しだけ足を伸ばしてみる。 無理をしないで試してみることが大事です。


金沢から新幹線でわずか20分。車でも1時間弱。 高岡・氷見は、「小さな旅」を始めるのにちょうどいい距離にあります。みなさんにとって心地よい環境、安心してまた来たいと思える居場所を ひとつでも多く見つけて、親子でワーケーションするきっかけが増えてくれると嬉しいです。


まずは身近な地域へ、小さな旅を始めてみませんか。